『よもぎ蒸しを始めるには、資格が必要ですか』
サロンの開業や、メニューへの導入を考えたとき、多くの方がまず検索されるのがこの問いです。
先に結論をお伝えします。
よもぎ蒸しを提供するための国家資格も、法律で定められた資格制度もありません。
制度上は、資格がなくても施術を行うことができます。
では、資格はいらないのでしょうか。
ここで話を終わらせてしまうと、大切なことを見落とします。
この記事を読み終えたとき、おそらく最初の問いは、少し形を変えているはずです。

制度としての答え。国家資格はなく、民間資格はあります
よもぎ蒸しに特化した国家資格や公的資格は、日本には存在しません。
一方で、各ブランドや団体が独自に設けている認定制度、いわゆる民間資格は数多くあります。
これらは法律上の効力を持つものではなく、多くの場合、一定の教育課程を修了したことの証明であったり、そのブランドの製品を取り扱うための条件であったりします。
つまり、ひとくちに「よもぎ蒸しの運営の資格を持っています」と言っても、その中身はブランドごとにまったく異なります。
ここが、この話の少しややこしいところです。
提供する側として、お客様への安全管理はできているでしょうか。
ですが、扱っている植物の禁忌はご存知でしょうか。
チェアの安全性はご存知でしょうか。
女性、男性でも受けていいタイミングと受けてはいけないタイミングご存知でしょうか。
そうしたことも知らずに提供をする「資格」はあるのでしょうか。
それらのことを知った上で、提供する資格となります。
資格とは別に、知っておきたいこと
資格が要らないと聞くと、何の準備もなく始められるように感じるかもしれません。
けれど、資格とは別に、知っておきたいことがあります。
たとえば、治る、病気が改善するといった医療的な効能を表示することはできません。
薬機法や景品表示法などに関わる部分で、これは資格の有無に関係なく、ホームページやSNS、店頭のメニュー表まで、すべてのサロンに共通します。
また、設備や地域によっては、保健所への確認が必要になることもあります。
マッサージなど、国家資格が必要な施術を併せて提供する場合も、別の対応が求められます。
いずれも資格ではありません。
ですが、お客様に安心して来ていただくために、知っておきたい部分です。

形式の資格がなくても、誰にでもできる仕事ではありません
国家資格がないということは、国家が定めた教育基準がない、ということでもあります。
制度の上では、誰でも始めることができます。
けれど、誰にでもできる仕事ではありません。
お客様の主訴や状況の把握、安全管理、植物のこと、セラピストとしての知識まで含めて、確かな見識が求められます。
流行のなかで、誰でもできると思われがちです。
けれど実際には、そうではありません。
よもぎをただ蒸すだけであれば、河川敷の生よもぎをとってきて蒸すのと変わりません。
それは、安価なチェアを買って、お客様ご自身で蒸していただくのと同じことです。
準備をして、片付ける。それだけのスタッフになってしまいます。
それでは、お客様はリピートされず、ビジネスとしても定着しません。
その状態は、サロンとしてお客様に提供する資格がある、とは言えないのだと思います。
では、提供する資格があるとは、どういうことでしょうか。
お一人おひとりのお悩みや目的に寄り添い、安心して施術を受けていただける環境を整え、その方に合ったご提案を行う。
そのセラピストとしての役割を果たせること。
そして、安全管理を徹底して、禁忌なども把握しておき、お客様の健康状態などもヒアリングして臨機応変な対応ができる。
それが、ここで言う「資格」です。
そして、そのために求められる知識は、施術の手順だけにとどまりません。
・妊活期、生理中、更年期、男性、ご高齢の方など、判断が必要になるケースへの対応
・よもぎや植物の特性、品質、栽培環境、乾燥や保管方法への理解
・お客様の生活習慣から主訴を読み取る視点
・使用するツールの正しい取り扱いと衛生管理
・植物の禁忌、椅子などツール、身体と心の状態などの安全管理
・施術後の変化を見守る経過観察とアフターフォロー
これらを1日の1DAY講習ですべて把握することはできるでしょうか。
お客様の状態を正しく理解し、より良い施術をご提案するために、欠かせないものです。
こうした知識は、1DAY講習やインターネットの情報や独学だけで身につけるのは、非常に難しいものです。
だからこそ、実際に運営しているブランドが、実体験をもとに、エビデンスや事例、ビジネスの展開まで含めて共有してくれるかどうか。
そこが大切になります。

植物を扱う以上、植物を知る必要があります
よもぎ蒸しは、植物を扱う施術です。
だからこそ、よもぎと名のつくものであれば何でも同じ、というわけではありません。
植物には品種があり、育つ環境があります。
栽培方法、収穫時期、乾燥のさせ方、保管の状態によっても、その中身は変わります。
自分が扱っている植物が、どこで、どのように育ち、どんな工程を経て手元に届いているのか。
それを説明できるかどうかは、お客様への提案の説得力に直結します。
植物を知ることは、お客様に対する誠実さでもあると、わたしたちは考えています。
形式の資格がないからこそ、どこで学ぶかが問われます
よもぎ蒸しに国家資格がない以上、学びの質はブランドや団体ごとに委ねられています。
内容も、考え方も、修了後の関わり方も、それぞれに異なります。
もし今、どこで学ぶかを検討されているのであれば、次のような視点で見比べてみてください。
・使用する植物について、産地や栽培、乾燥や保管の工程まで説明があるか
・妊娠中の方、持病のある方など、判断が難しいケースの基準を学べるか
・カウンセリングを丁寧に行える学びがあるか
・修了後に相談できる窓口があるか、学び直す機会があるか
・実際にお客様に喜ばれ、信頼と売上を積み上げているブランドか
・サロンビジネスとして相談できる窓口があるか
・講座が終わったあと、どのような関係が続いていくのか
答えは、ブランドによってはっきり分かれます。
そして、その違いこそが、これから何年も付き合っていくパートナーを選ぶ判断材料になります。
関連コラムよもぎ蒸しブランドの選び方|導入前に確認したい6つの視点 →よもぎの素材、道具、講座、サポート、考え方、事業継続性。ブランドを比較するための質問リストです。
フィトスチームの導入資格認定講座について
フィトスチームでも、導入資格認定講座を設けています。
これは、法律上必要な資格ではありません。
植物への理解、安全管理、カウンセリング、施術方法、経過観察など、お客様に安心して施術を受けていただくために必要な知識を、2日間かけて体系的に学んでいただくための講座です。開発者であるtomomiが、東京の to more me spa&studio で直接お伝えしています。
講座が終わったあとも、導入サロン様が集まる定期ミーティングやアーカイブ動画など、学び続けていただくための場をご用意しています。
また学び直しの動画教材もスタートしました。

必要なのは、形式の資格ではなく、お客様に提供できる力としての資格
よもぎ蒸しに国家資格はありません。
けれど、お客様から料金をいただき、施術を提供する以上、そこには知識と責任が伴います。
その積み重ねが、セラピストとしての自信となり、お客様からの信頼となり、長く愛されるサロンにつながっていくのではないでしょうか。
よもぎ蒸しを仕事として考えるのであれば、資格は必要ですかという問いだけではなく、お客様に安心と価値を届けるために、私は何を学ぶべきだろうか。
そんな視点で、講座やブランドを選んでみてください。

よくあるご質問
Q. 資格がなくても、よもぎ蒸しサロンを開業できますか?
可能です。日本には、よもぎ蒸しを提供するための国家資格も、法律で定められた資格制度もありません。ただし、どなたでもそのまま提供できるわけではありません。正しい知識や安全管理がないまま行うと、重大な事故につながることもありますので、確かな知識と見識が必要です。また、薬機法、医師法、景品表示法など、表現に関する法令も遵守する必要があります。民間で資格と称している団体はいくつも存在しますが、受講前にそのすべてを確認するのはなかなか難しいため、説明会などがある場合は、詳細を伺ってみることをおすすめします。短期的にはお安い方が導入しやすいですが、長期的にビジネスとして考えてみてください。数万円の講座費用なのか数十万円かかるのか、それは資格をもったサロンが適切なセラピストがカウンセリングして、安心安全なメニューとして提供できれば、長期的にお客様の信頼を獲得でき、リピーターが獲得でき、サロンの運営が安定していきます。その点も含めて確認が必要となります。
Q. 独学や通信講座でも学べますか?
温活の知識が事前にあるセラピストであれば、独学でも可能な場合はあります。ただ、未経験の方には難しい場合がほとんどです。インターネットには情報が溢れていますが、その正誤を見分けることは容易ではありません。よもぎ蒸しを数多く提供してきた運営経験のあるブランドで学ぶことは、とても大切です。実際の現場は、ネットで見かける内容よりもリアルな事例が多く、臨機応変な対応も求められます。学べる内容や範囲はブランドごとに異なるため、どのブランドで、どこまで学ぶのかは非常に重要です。安価であることをうたうブランドは、この点が希薄なことも少なくありません。対面かオンラインか、アーカイブ動画はあるか、講座後のサポートはあるか。金額だけでなく、講座の中身をしっかり把握することが大切です。また、最も選ぶ基準としては、実績があるかどうかです。ブランド側が提供してきた経歴、実績があるかどうかが非常に大切です。それはメニューの運営方法だけでなく、サロン経営として成功したブランディングを行っているかどうかが大切です。
Q. 導入するには、どのくらいの費用がかかりますか?
導入費用はブランドや団体によって幅があります。安いものだと数万円、高額だと数十万円に上ることもあります。ただし、金額が違うということは、内容が違うということです。チェアやウエアは一度導入すれば済みますが、素材は日々仕入れるものです。どのような品質で、どのような背景を持つ素材なのかを見極めることが重要になります。金額だけで比べるのではなく、お客様に確かなものをお届けできているか。そこを見届ける必要があります。上記でもお伝えしておりますが、実績が伴い、なおかつ、その導入の全てにメニューの運営のみならず、サロン経営やウェブのこと、SNSのこと、営業のことなど相談できる窓口があるかどうかで、金額は全く異なります。そして、金額に見合っているかどうかを見極めていただくことが大切です。
Q. 自宅サロンでも始められますか?
問題ありません。自宅サロンで運営されている方も多くいらっしゃいます。ただし、サロンのブランディングや、立地も含めて、綿密な設計が必要となります。サロンはあくまでも非日常を感じ、特別なリラックスなどをもたらせる空間が必要となる場合がほとんどです。自宅サロンだと生活感も含めて、ブランディングを阻害する内容も多々ございますので、その点も相談できるかなども必須となります。要するにブランディングをしっかりと提案していただけるかどうかも見極めることが大切です。